2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

Upon Shuji Terayama

Upon Shuji Terayama Sibiu International Theatre Festival lasted for 2 weeks.I attended it to realise there were various tendencies in the theatrical style.Chinese theatre group performed Ibsen’s “Hedda Gabler” in the traditional style and …

チネチッタ

七十年代には地下鉄がなかったのでチネチッタへゆくにはヴィーア・トゥスコラーナという長い街道をかなりの時間車で走らねばならなかった。しかしいまではローマ駅、通称「テルミネ」からAラインで、「アナニーナ」行きに乗れば数十分で着く。終点のひとつ手…

聖地・トキワ荘

「聖地」というとどこか神がかったところがあるが、トキワ荘はボロ屋だったようである。劇中の秋森(石森、のちの石ノ森章太郎)の独白によると「四畳半風呂なし、共同トイレに共同台所,油虫に南京虫の同居人のおまけ付き。」といったアパートだった。本作…

寺山修司著作集第2巻解説

第2巻に収められているのはラジオドラマ、長編小説、短編小説、映画のシナリオである。ラジオドラマは聴覚を対象に書かれているにもかかわらず、視覚的であり、映像的である。『中村一郎』の冒頭はフェリーニの映画『81/2』を想起させる。イタリア映画では…

「モーツアルトの台本作者」の目次

「まえがき」 1.「回想録」 2.「生い立ち−故郷チェネダ」 3.「神学生ダ・ポンテ」 4.「ヴェネツィアの誘惑」 5.「教師ダ・ポンテ−中世都市トレヴィーゾ」 6.「爛熟のヴェネツィア」 7.「犯罪者ダ・ポンテ」 8.「亡命の地−ゴリツィア」 9・…

「存在の交換性」

アントニオーニは観客に理解可能な形で映画のなかでおこったことを説明しない。すでに述べたように、『情事』である女性が突然姿を消す。アンナはブルジョワ家庭に育った女性で、経済的にはなに不自由ない生活を送ってる。自殺する理由は友人にも思いつかな…

フェルナンド・ペソアと『海の賛歌(オード)』

もう数十年前になるが、日暮れてスペインとポルトガルの国境を車で越えたことがあった。暗闇をひたすら走ると灯が見えてきた。リスボンだった。マドリッドやバルセロナほど巨大な都市ではないが、夜にうかぶ光は旅人に安堵の気持ちをあたえた。ポルトガル人…